えーー、巷では よく 食欲の秋 などど申しますが、 秋ってぇーと、 サンマ ですな。 松茸 だのという 私ども庶民には 縁の無い話で、 秋の味覚といえば、やっぱり サンマ ということになるのであります。 いつになく 落語の枕風に 書き出してみました。 |
秋刀魚についての一家言 ●秋刀魚の “ワタ” が私の好物です。 「秋刀魚 苦いか、しょっぱいか」 という詩がありますが、 秋刀魚は、まさに 苦いから美味しいのです。 お上品ぶった紳士淑女らしき人の中には 「青魚はキラァーイ、苦いからぁー、」 という人がいて、そういう人に限って 「魚は 中とろ しか食べられなぁーい、」 などと ほざきますが、 そういう人をみると、ケッ、反吐が出るぜ! 失礼しました、下品な言葉を使いまして、、 ●私のように ワタまで全て食べる者にとって秋刀魚は、 安い割に 食べで があるので経済的にも重宝です。 例年ならば 8月の終わり頃から出始め (尤もこの頃はあまり脂が のってないけど) 9月の中旬には脂ものり、値段も手頃なのが出回ります。 しかし、去年、一昨年とも 秋刀魚は不漁で、 いいものが なかなか出てきませんでした。 痩せていて 脂が乗ってないのは、食べたくない。 (私は 紳士でも 食通でも ありませんが、こういうところはこだわります。) 今年はさらに不漁で、10月も半ばになって やっと脂が乗ってきたかな、 というところです。 しかし、上の写真に載せたように、あの程度の物が 二尾で 500円 というのは 高過ぎます。 398円くらいになってくれないとなぁ。 ●3年くらい前から、中国と台湾の大型漁船が日本の近海で 秋刀魚を大量に捕獲するようになりました。 日本の EEZ 外 なので、取り締まることも、文句を言うこともできませんでした。 尤も、「海産資源が枯渇する」 という文句を言っても 聞く国ではありませんがね。 ●しかし、どうも最近、秋刀魚の不漁の原因は、中国や台湾の漁船のせいではなく、 地球温暖化による海水温の上昇が原因ではないか とも言われています。 庶民の味方の秋刀魚まで 「海産資源の枯渇」 の対象なのか? 従来から マグロ や ウナギ が 漁獲量の制限を受けていますが 私は 「マグロやウナギは ほとんど食べないから絶滅してもいいや」 と タカ をくくっていましたが、そうも言ってられなくなりそうです。 ●料理を題材にした、又は 料亭を舞台にした漫画には “マグロ,ふぐ,タイ” は高級魚で、“サバ,イワシ,サンマ” などの 青魚は雑魚 のように扱うシーンがあります。 無論、作者にそのような意図があるわけではなく、漫画の主旨としては 食材の良さを それぞれ大事にするのが料理人の務めである、というものです。 問題は、なぜ “マグロ,ふぐ,タイが高級魚なのか” という点です。 これは 味の問題ではなく、ひとえに、大量に獲れるかどうか、によるのでしょう。 大量に獲れるものは価値が低く、少量しか獲れないものは価値が高い、 という 歪んだ価値観です。 大量に獲れようが 獲れなかろうが、価値があるものはあり、無いものは無いのです。 ここでいう価値とは 狭義には栄養価 であり、 広義には生態系への貢献度とでもしておきましょうか。 栄養学の詳細には触れませんが、もし、イワシが マグロ 程度しか獲れなかったら、 そして もし、マグロが イワシのように 大量に獲れたら 食通なんぞと ほざいてる輩の価値観も逆転するのでしょう。 以上、秋刀魚についての一家言でした。 |
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