◆◆ 冬の知床半島 ◆◆
◆◆ 流氷クルーズ ◆◆



日  付  2014年 2月 13〜15日(木、金、土曜)



北海道で流氷を見て、体感してきました。

「流氷を見たい」 というのは、ここ20年来の念願でした。
  しかし、真冬の北海道など行って、帰りの飛行機が飛べなくなった場合、
  「雪で帰れません」 などと会社に言えないよ、
  と思って断念していましたが、遂に今年行ってきました。

なぜ流氷か?と聞かれても困るのですが、とにかく見たかったのです。
  私はそういうのが好きなんです。

●旅行代理店で調べると、流氷ツアーは意外とたくさんあり、
  旭川動物園とセットになっているものや、有名なホテルでの「カニの食べ放題コース」
  などというものもあります。
  私は、そんなものに興味が無いので、道東の流氷見学に特化したコースを選びました。

  感慨無量。

●参加者は私を含めて6名、添乗員さん1名。
  我が物顔のオ○゛サンや、昼間から飲んでるオヤジが一緒だったらイヤだなぁ、
  と思っていたのですが、皆さん常識的な方で助かりました。

●添乗員さんによると、
  昔は流氷というのは 「とにかく邪魔な存在」、「早く春になって無くなってほしい物」
  だったそうです。
  しかし、いろいろ研究が進んで、流氷にくっ付いてくるプランクトンのおかげで
  魚が多く集まり、春以降の漁ができる、ということがわかったということでした。

  現在では、流氷を目当てに(私のような)観光客も来るので、
  冬の旅館も助かっていると言っていました。



   行 程

1日目 (2月13日)
   ・11:15 羽田空港 発
   ・13:00 女満別空港 着
   ・17:00 ウトロのホテル 着
           夕食・入浴、
   ・20:00 知床オーロラファンタジー見学 (約20分)

   ・21:00〜22:00 雪あかりスノーシュー・ハイキング ← 本日のメイン・イベント

2日目 (2月14日)
   ・5:45〜7:00 早朝流氷ウォーク ← 本日のメイン・イベント(1)

   ・9:00〜9:30 流氷ノロッコ号 (JR斜里駅から北浜駅までストーブ列車の旅)
     ラウスに移動

   ・13:00〜14:00 
知床流氷クルーズ ← 本日のメイン・イベント(2)
     網走に移動

   ・17:00 網走のホテル着

3日目 (2月15日)
   ・9:30〜10:30 流氷砕氷船おーろら号 ← 本日のメイン・イベント

  ここでツアーは終了、女満別空港から帰るはずだったが、
  関東の大雪で飛行機が欠航。

  振替えの便は翌2月16日・札幌発のため、
  網走から千歳まで移動した。 (特急オホーツク6号で約6時間、1万円也)

  19:00 千歳のビジネスホテル着

4日目 (2月16日)
   ・17:15 新千歳空港 発
   ・19:00 羽田には定刻に到着
     モノレールが途中でポイント故障のため停止、
     京急線・平和島駅まで20分くらい歩く。

   ・21:00 上野駅 着
   ・ 0:00 高崎線で深谷に帰宅、無事に帰れてホッとした。









1日目、PM1時頃、北海道に入る。
おぉ、一面の雪だ。
雪景色を始めて空から見た。





ー レポート 1 ー

雪あかりスノーシューハイキング
(旅行 1日目)



知床ウトロ温泉近くの、森の雪の中を歩くツアーです。

  夜の9時から10時にかけて、約1時間、森の中を歩きます。

●前日に雪が降ったので、新雪でした。
  さすが北海道、サラサラのパウダースノー。
  気温は−9℃。

「スノーシュー」 というのは、西洋の 「かんじき」 です。
  見たことはありますが、実際に履くのは初めてでした。
  インストラクター、というかネイチャーガイドの方が履き方を教えてくれます。

●積雪は2メートルくらいのようですが、
  スノーシューを履いていないと腰あたりまで雪にもぐってしまうそうです。


●興味の無い人が見たら、「寒い中、雪の上を歩いて何になるんだ」 と思うでしょうが
  私はこういうのが大好きです。
  (わからない人を説得しようとも思いませんが)






PM9時、ハイキング出発前。
ピンクのウェアの人がガイドさんです。(女性でした。)
スノーシューの履き方を指導しているところ。





パーティは7人
ガイドさんを先頭に森の中へ踏み込みます。
なんかカッコイイ。

スノーシューを付けていても10cmくらいは雪に沈みます。

これは最後尾からストロボで撮った写真ですが、
暗い中でいきなりストロボをたいたら
皆さん 「オー」 と声をあげました。
なんか、せっかくの雰囲気を壊したようで、悪い気がして
これ以降、人のいる所に向かってストロボをたくのは控えました。






月 と 森。

これは自然光での撮影ですが、意外と明るいんですよ。

私のデジカメではバルブ撮影はできませんが、
暗い画像を少し補正して載せました。

外灯などは一切無いので、真っ暗闇かと思いきや
月の光が雪に反射して視界は十メートルくらいあります。
(変な例えですが、かぐらスキー場の濃霧よりはるかに見通しが良い)





だれもいない森に向かってストロボ撮影。

何か得体の知れない生き物が出てきそう。
なんかコワイ。
7人いたので平気でしたが、
一人でここにいたら相当恐いと思う。

古(いにしえ)の人が、こういうなかに物の怪を感じたのは
当然ともいえます。
こんな感覚があって私もまだ人間なんだと、変な納得をします。



そこかしこに動物の足跡があります。
キツネやリスなどだそうです。

−10℃くらいのところですが、
雪に沈む足を持ち上げて歩くので、腿を大きく使い
歩くと結構暖かくなります。






ー レポート 2 ー

早朝流氷ウォーク
(旅行 2日目)



ウトロの海岸に来ている流氷の上を歩くツアーです。

  朝5時に起床。
  朝食も食べずに、6時頃から約1時間、流氷の上を歩きます。
  気温は−20℃近く。

●いろいろなパック旅行の団体が合同で参加していて、
  全部で30〜40人くらいいました。

●凍った海の中に入るので、「ドライスーツ」 を着ます。
  インストラクターが数人いて、着るのを手伝ってくれました。

●興味の無い人が見たら、「氷の上を歩いて何になるんだ」 と思うでしょうが
  私はこういうのが大好きです。
  (わからない人を説得しようとも思いませんが)







ドライスーツを着た図。

この中は、普通のシャツと、厚めのシャツの2枚。
下は普通の冬物のズボンです。
ジャンパー、フリースなどの防寒着は着ません。

スーツは完全防水で、首が少し苦しい気がしました。

スーツの中には空気の層があり、
歩くと暖かいくらいです。
顔は寒いけど。
手にはウエットスーツみたいな素材の手袋をはめます。



海岸から沖まで、流氷の上を500メートルくらい歩いたでしょうか。
風が少しありましたが、寒くはありませんでした。
ドライスーツの威力はスゴイものだ。

途中で氷の割れ目に落ちないように
インストラクターが氷の厚そうな所を選んで先導します。



どらえもん、違った、どざえもん(土佐衛門)。
違います。

流氷の海に浸かっているところです。
これが、このツアーのお楽しみです。

水温は氷点下なので、ドライスーツなしでは1分くらいで死ぬそうです。

タイタニックの世界。 映画のセリフから
「この水温で落ちたらどのくらいもつでしょうか?」 「・・・もたんな・・・」


終盤にインストラクターが
「では皆さん、氷を割って中に入ってみてください」 と言って、
氷の薄そうなところを選んで、「海への落ち方の見本」 を見せてくれます。

片足を乗せただけで簡単に割れる所もありますが、
「ここは大丈夫だろう」 と思って歩いていると
急にドボッと落ちてしまう所もあり
「ウォー」 と言いながら楽しみます。

上の写真では寝そべっているだけのようですが、
胸あたりまで浸かってみました。

意外と寒くない、どころか
海の中は風が無いので、氷の上よりむしろ暖かいくらいです。
「これが流氷の海かぁー」
ご満悦。




ー レポート 3 ー

知床流氷クルーズ
(旅行 2日目)



ラウスの港からの船で、流氷を見るツアーです。

●船は普通のクルーザーなので氷を割って進むことはできません。
  流氷の近くまで行って眺めるツアーです。

●これも、いろいろなパック旅行の団体が合同で参加していて、
  全部で40人くらいでした。

●ラウスからだと北方領土が見えます。

●船のデッキで突然 「コンニチワ、私、シャ といいます」 と話しかけられました。

  中国人か韓国人かわからなかったので 「お国はどちらですか」 と聞いたら
  中国人だそうです。

  なんで中国人が日本に来てニコニコしてるんだ、と言いたい気もしたが
  個人レベルでケンカしても善くないと思い 「日本語がお上手ですね」 と愛想よくしました。
  外交問題に貢献したぜ。

  「あれはロシアの北方領土ですか?」 と聞かれたときは思わず苦笑したよ。
  冗談みたいな話でしょ。






海上保安庁の砕氷船。
海保でも砕氷船は2隻くらいしかないそうです。
国土防衛の最前線




一応流氷ですが、船長によると
「これは流氷の本体ではない」 そうです。

昨日から今日の午前中までは
流氷の本体が港の近くまでいたのだが、
風の影響でこのときは沖あいまで押し戻されてしまったそうです。

へぇー、流氷ってそういうものなんだ。
初めて知った。
私は、一旦接岸したら、春までずっとそこにあるものだと思っていました。

写真をよく見ていただくと、水平線は青い海です。
ここに漂っているのは、はぐれ流氷 みたいなものなんですね。





夕方、4時40分ころ。
ラウスから網走に向かう途中の道すがら、夕日を撮影。
北海道っぽいでしょ。






ー レポート 4 ー

流氷砕氷船おーろら号
(旅行 3日目)



網走の港からの船で、流氷を割って進みます。

  こちらは昨日の船と違って砕氷船なので、氷の海をバリバリと進んで行きます。
  おーろら号は、ひらがなで 「おーろら」 と書きます。 変換間違いではありません。
  2隻あって、同時に出航します。

●アナウンスによると、この船は
   ・400トン
   ・全長40m
   ・幅10m
   ・最高速度14.3ノット  だそうです。

●私の天敵の 「ご年配のご婦人方の団体さん」 通称 「ザ・オ○゛タリ○ン」
  も多数乗船していました。







おーろら号





船内。
割とゆったりしたシートが多数あります。
売店もあり、お土産やいろんな食べ物、飲み物も売っています。

私も 「限定」 という発泡酒と地ビールのセットを買ってしまいました。





港は凍っていませんが、
出航すると徐々に凍った海になっていきます。
この辺は、まだ薄い氷です。





流氷の上を飛ぶカモメ。
相当沖に出ても、カモメが船べりに止まってきます。

歌には 「凍えそうなカモメ見つめ・・・ というのがありますが、
ここのカモメは別に凍えそうではありませんで、
キョトンとした目で船の客を 「見つめ」 ているのでした。

遠くに見えるのは斜里岳(だと思います)。
百名山です。





前方の氷を割って進むの図。

昨日の はぐれ流氷 と違って、水平線まで凍っています。





流氷を間近で見るの図。
流氷の大きさがわかるように載せました。

本来一面の氷なのですが、
砕氷船で割られています。





こちらは、おーろら2号。
ホントに氷の中を進むんだな。












     
流氷クルーズ よもやま話



雪あかりスノーシューハイキング にて

  実は今回、これが一番印象に残りました。

     

  まっさらな雪の中で、ガイドさんが
   「それでは皆さん、ここで雪の上に寝転んで、じっとしてみてください」

  月あかりだけの、音の無い世界で大の字になって寝る。
  自然と一体になる、とか 人間はちっぽけな存在だ、などと陳腐で歯が浮く言葉は
  私の最も嫌いな表現ですが、
  この時の実感としては、

  「体の細胞が ツブツブと 分解していって、空や雪や静の中に消えていく」 という感じでした。

   私は詩人でも哲学者でもありませんが、何かがひらめきそうなひと時でした。

   もっと大げさに言えば、神と対話ができる、そんな気がしました。
    (私は特定の宗教の信者ではありませんが、神を信じてないわけでもないんですよ。)

  おそらく他の参加者も何かしらの感覚を持ったと思います。 なんか、そんな気がします。

  真の静寂、時間にして1分か、せいぜい2分程度だったろうと思います。
  「このまま眠っちゃうと死んじゃいますから、このへんで、」 ガイドさんの声で起き上がりました。

  不謹慎なことかもしれませんが、死ぬならこんな所で静かに死にたい。

  「得難い経験をしました」
  ガイドさんと別れる時、こう言ったら喜んでくれました。



早朝流氷ウォーク にて

●インストラクターの方がいろいろ説明してくれました。

  流氷の下でダイビングする、というのは意外と人気があるそうだ。
  氷に穴を空けて、そこから潜るのだが、30分も潜っていると穴が凍ってしまい
  出口が見つからなくて酸欠で死亡する、という事故があった。
  事故を起こさずにダイビングを楽しむためには、相当な人数で安全を確保しなければならない。
  そこで、もっと手軽に流氷を楽しんでもらおうということで
  流氷ウォークが広まったそうだ。

●沖に出ると、氷の下に クリオネ がいます。
  インストラクターが手ですくって見せてくれました。
  水族館以外で見られて良かった。

●流氷は年々小さくなっているそうです。



流氷砕氷船おーろら号 にて

船の中は至れり尽くせりだ。
  暖房がきいていて、防寒具を着ていると汗をかいてしまう。
  400円増しで船首側に 「優待席」 なるものがあって、
  ここなら完全に寒さ知らずで流氷を割って進むところが見られる。
  売店には、コーヒー、ビール、ホタテまん、などが売っていた。

  私を知っている人はわかると思いますが、私はこういう行き過ぎた設備が嫌いです。
  デッキで、極寒の風の中、カモメと一緒に海を見ている方がいい。

  船首方向に立つと向かい風で、ものすごく寒い。
    (他に形容詞が出てこない。)
  北海道にいるーという感じです。



関東で大雪、(北海道から7時間で自宅に到着)

●今回の旅行は2泊3日の予定だったが、関東で大雪のため足止めをくい
  3泊4日になってしまった。
  添乗員さんが手際よく、振替え便とホテルを予約してくれたので助かりました。

●ポイント故障によりモノレールの途中の駅で降りて(駅名も知らない)、
  京急線・平和島駅まで歩いたときは不安だったなぁ。
  大勢がぞろぞろ歩いていくので、「どこまで歩くんですか」 とも聞けずに行列に従って歩いた。
  わけのわからない路地を抜けていったが、よくあんな道を知っている人がいるものだ。
  タクシーや改札口が見えたときは、とりあえずホッとした。

●モノレールの駅の改札口では、乗客が駅員に
  「代替交通機関のバスはないのか」、「どうなってるんだ」、「この切符はどうするんだ」
  と怒声をあげていた。 駅員も大声で応酬していた。
  こういう光景、ニュースでは見るが、実際に見たのは初めてだ。
  駅員さんもたいへんだなぁ・・・・。

●東京駅の新幹線の切符売り場はごった返していた。
  新幹線は動きそうもないので、上野から高崎線に乗ろうとしたのだが
  最悪、上野駅で徹夜かな、と覚悟した。

  幸い、北海道仕様の防寒具もあるし、羽田でペットボトルの水も確保したし
  これも話のタネだ、と思った。

  しかし、大幅に遅れた列車に運よく乗れました。
  羽田から深谷まで約5時間、順調な方だったろう。

●深谷駅で街に出て、ビックリした。
  異次元空間を通って、千歳に戻ってしまったかと思った。
  熊谷気象台によると積雪は50cm以上だそうだ。
  熊谷。 私の住んでいる深谷もそうだが、夏は記録的な猛暑、冬は都内以上の積雪。
  暑さ、寒さの吹きだまりのような土地だ。

  ともあれ、立ち往生することもなく、孤立することもなく、米のご飯も食べられて幸せです。




長くなってしまいましたが、最後に、

本当は北の地に独りで立って

「地の果てだ・・・」

と感慨に耽る(ふける)予定だったのですが、
パック旅行だった為、どこへ行っても団体客がいました。
それが少し残念ではあります。

次回があるかどうかわかりませんが
今度は一人旅を計画して、ひなびた民宿に泊まりたいものです。



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