ひねくれた感想です。 偏見が入っていますので、 あまり攻撃的に読まないでください。 |
●全5局を見て ●将棋の内容・解説は専門家のホームページなどがありますので、そちらを参照ください。 私などがどうこう言えるものではありません。 ここでは、素人なりの感想を書きます。 ●まず、5局ともソフトの仕掛けの早さが印象的です。 将棋の格言でも 「攻めの駒は、飛車、角、銀、桂」 といいますが、 今回のソフト側の仕掛け(=攻撃開始)は、プロ棋士側の守りの陣形ができているところへ 銀または桂馬の単独の突貫が行われ、 いわゆる 「攻めが細い」、「無理攻め」、「腰の入っていない攻め」 のように見えました。 「えっ、ここでもう仕掛けるの?」 という感じです。 このときは、大盤解説者も、会場の人も、ニコニコ動画を見ている人も、控え室の検討陣も 「おー、ここでいったか」 という感想を持ったようです。 実際に 「おおー」 という声が会場から聞こえました。 ●プロ棋士もこの傾向を研究していて、第1局ではソフト側がプロ棋士側の術中にはまり プロ棋士先勝となりました。 しかしながら、第2局以降は、「ソフトのこの攻めは成立しないだろう」 という検討陣の予想に反して ソフト側が攻めをつなぎました。 ●第2局、第3局は、さすがにソフトの無理筋で、プロ側優勢だったものの、 専門的には難しいのでしょうが、 人間の 「疲れる」 という弱点が出て、 プロ棋士側の負けとなった次第です。 ●第4局は別途、詳述します。 ●第5局は、プロ棋士先手での相矢倉。(注1) プロ同士なら普通は、先手の攻め、後手の受け、という展開になります。 「先手が攻めきれるか、後手が受けきれるか」、「後手がどこで反撃に転じるか」 というところが見どころなのですが、後手のソフトから先に、銀の攻め。 桂馬は参加せず、なのですが、この攻めが成立するなら、 今までの定跡はどうなってしまうのでしょう。 ●今回の対局は、「人間 対 コンピュータ」 だったわけですが、 大盤解説者も、控え室の検討陣も、会場の方達も、ニコ動を見ている人も さらには、ソフト開発者自身も、 多くの人はプロ棋士、つまり人間を応援していたようです。 対局中の要所々々で 「どちらが優勢だと思いますか?」 というアンケートの質問が出て ほとんどの局面で 「プロ棋士側が優勢」 という答えが多かったのですが、 プロ棋士をひいき目にみている傾向は明らかでした。 やはり皆、人間に勝って欲しいんだなあ。 ●全対局を通して、勝ち負けや将棋の読み筋以上に、プロ棋士の精神力に心打たれました。 ほとんで正座で、表情が見えるとはいえ、目だった動きもないのに、必死さが伝わりました。 対局者の皆さん、お疲れ様でした。 |
(注1)相矢倉 プロ、アマ問わず、昔から一番人気の戦法。 私も好きです。 私の個人的なつきあい、スキー友の会の 「セラン・604号の決戦」、「浦新の雪辱戦」 でも 何度か指されました。 私が中学生の頃、矢倉の大家として4人が不動の地位にいました。 中原誠、米長邦雄、加藤一二三、有吉道夫です。 (敬称略) 一二三は、“ひふみ” と読みます。 今、ファンの間では 「ひふみん」 と呼ばれて人気者のようです。 なんだかなぁ。 |
No.1 | ・はじめに ・電王戦とは ・プロ棋士とは |
2013年 4月 27日 |
No.2 | ・初めてニコニコ動画を見て ・プロの読み |
2013年 4月 27日 |
No.3 | ・全5局を見て |
2013年 4月 27日 |
No.4 | ・激闘、第4局 持将棋 ・あじあじ考 |
2013年 4月 27日 |
No.5 | ・人工知能 ・コンピュータの能力とSF |
2013年 4月 27日 |
No.6 | ・将棋とプロ棋士への思い |
2013年 5月 20日 |
No.7 | ・余談ですが |
2013年 5月 20日 |